土門拳写真集「風貌」推薦文
どもんけんしゃしんしゅう「ふうぼう」すいせんぶん
初出:「土門拳寫眞集『風貌』内容見本」アルス、1953(昭和28)年3月分量:約1分
書き出し:土門拳寫眞集「風貌」推薦文高村光太郎土門拳はぶきみである。土門拳のレンズは人や物を底まであばく。レンズの非情性と、土門拳そのものの激情性とが、實によく同盟して被寫體を襲撃する。この無機性の眼と有機性の眼との結合の強さに何だか異常なものを感ずる。土門拳自身よくピントの事を口にするが、土門拳の寫眞をしてピントが合つているというならば、他の寫眞家の寫眞は大方ピントが合つていないとせねばならなくなる。そん...