「新浦島」の感想
新浦島
しんうらしま
初出:「少年園 第二巻 第十三号」1889(明治22)年5月3日

森鴎外

分量:約39
書き出し:「サクソンの畏《かしこ》き神に縁《ちな》みてぞ、けふをば『ヱンスデイ』といふ。その神見ませ、よるよりも暗くさびしき墳墓《おくつき》に、降《くだ》りゆくまで我が守る宝といふは誠のみ。」カアトライトホトソンに沿うて登つて行つたことのある旅人は、屹度ケエツキルの山を覚えて居ませう。これはアパラツチエン山の幹から出た小枝で、遙に西に向つて、仰いで見れば、麓は河の畔《ほとり》に垂れて、巓《いたゞき》は空に聳...
更新日: 2025/12/15
艚埜臚羇1941さんの感想

 永年 尻に敷かれた じじいの 晩年の 慰めは 老妻が あの世に 旅だった ことで あったようだ。あまり 赤裸々に 喜んでいる 様子を 表すと もしや 殺したのかと 嫌疑を かけられるので 悦びの 感情を 押し殺すのに 細心の 注意を はらった。老人達の 生態が 巧に 描かれている。面白いかも しれないと 感じた。

更新日: 2022/07/09
19双之川喜41さんの感想

 悪妻から 手酷い 仕打ちを 受けていたので 数十年ぶりに 帰郷したとき 妻が 亡くなっているのが 大きな 慰めと なった。徐々に 社会復帰を果たし 辺りに 馴染んで いくことになる。ユモアと 皮肉に 充ちた 文章が 愉しいと 感じた。