永井荷風
感覚を研ぎ澄ますと、普段五感で捉えられなかった自然の営みが恰も贈り物のように届いてくる。
YouTubeなどの映像表現に浸り込んで、文学作品から遠のいて久しいところ、偶然出会いました、この文豪の作品に触れ、なんとまあ映像よりも豊かな情景の甦る様に驚きました。
蝉の 鳴きっぷりの くだりが 印象的である。彼方の 木の梢で 短く 一声鳴いて 黙ってしまうと 此方で 様子でも 窺うように 挨拶し合うように 別の 蝉が 鳴くとする。荷風の 並ならぬ 感性を 感じた。