「警戒すべき日本」の感想
警戒すべき日本
けいかいすべきにほん
初出:「冒険世界」博文館、1910(明治43)年12月号

押川春浪

分量:約17
書き出し:世界の大勢を見よ=英雄主義=米国魂=日本の正命=自信力と自負心=戦勝の賜物は何か=国民の意気=危険なる社会主義=淫猥なる自然主義=陋劣極る平凡主義=非愛国者を葬れ(一)文明的戰國時代▲現時の日本は、安心すべき日本に非ず、警戒すべき日本なり。逸楽を夢想すべき時代に非ず。起つて戦ふべき時代なり。諸君は世界の大勢を見ずや。欧米列国を実利主義一点張の如くに思惟せし時代は既に過去つたり。彼等は富力を過度に尊...
更新日: 2023/08/05
ハルチロさんの感想

冒険小説家として著名な作者の檄文とでも言える作品です。日露戦争における国家賠償額の少ないことは、歴史の教科書においても記述されるところです。これに対する反発や国民から上がる声が少ないことを作者は憂い、大日本帝国の衰退を警戒し、警鐘を本作品を通して、発信しています。この後、第一次世界大戦を経て、中国大陸に進出していく大日本帝国の行く末を暗示した警鐘とも取れる作品だと思うのは、愚生だけでしょうか。

更新日: 2021/11/22
e2032513f6a4さんの感想

小泉内閣前夜のような状況が、戦前にもあったという事を彷彿させます。 良し悪しは別として、小泉純一郎というカリスマ的人物が出たので日本は当時はこの本に書いてある懸念を一時的に乗り越えたように見えました。 しかし、その後に残ったのは、平成元禄の名残と‥色々考えさせられますね。