「紅い花」の感想
紅い花
あかいはな

ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ

分量:約44
書き出し:イヴァン・セルゲーヴィチ・トゥルゲーネフの記念に一「畏《かしこ》くも天の下しろしめす皇帝、ピョートル一世陛下の御名代《ごみょうだい》として、余《よ》は本癲狂院《ほんてんきょういん》の査閲《さえつ》を宣す!」甲高い、耳がびんびんするような大音声《だいおんじょう》で、そんな文句が述べ立てられた。インクの汚点《しみ》だらけの机に向かって、ぼろぼろの大きな帳簿にその患者の名を書き込んでいた病院の書記は、思...
更新日: 2024/05/06
19双之川喜41さんの感想

 ウクライナの 精神病院に 収監された 青年は 窓から 見える 罌粟(ケシ)の 紅い花に ただならぬ 執着を 見せる。 その花が 彼に取っては 何かしら 特別な 意味を 備えた 象徴のようにも 見えてしまうのである。頑丈な 狭窄衣(きょうさくい)を 超人的な 集中力で 破り棄てて 夜中に 蕾(つぼみ)を 閉じた 花を 固く 握りしめながら 病室に 戻って来て 寝台に 倒れ込む。深刻な 内容には 細やかな ユーモアが 仕込んであり 少しばかり 慰めにはなる。私は 半世紀位 昔に この本を 読んだ筈が 戦死と 勘違い していたことが 知れた。本当は 病死だったのである。彼の 硬直した手からは 花を なかなか 外せなかった。 

更新日: 2022/09/17
みたらし団子さんの感想

主人公の視点からすれば、正義に溢れた勇者のようにも感じる。 客観的に見れば、病気で頭のおかしくなった患者が自分の世界を演じ、迷惑をかけた挙句亡くなるという迷惑者のように感じる。 そんな対極するふたつの視点から、精神病とは本当に病気なのか、それとも悟りの境地なのか考えされられました。

更新日: 2022/03/16
阿波のケンさん36さんの感想

よく分からないな。なぜ赤い花がこの世の悪なんだろうか?ケシの花だからろうか?