この文章を読んで、かなり以前に読んだ荷風の「あめりか物語」が懐かしくなり、ここ何年も開かないでいた「永井荷風集」を本棚から引っ張り出した。 筑摩書房刊の「現代日本文学全集」活字びっしり三段組の超レアもので、近所の古書店で廉価で購入した。 今後、どのようなデジタルの大波に襲われようとも、アナログの象徴のようなこの本を手放すことはあり得ない。 さて、この「あめりか物語」を読んだときには、あまり意識しなかったのだが、文中にある「シカゴを出てから四時間」が気になり、各エピソードのなかに相当する文言があるか調べてみた。 なるほど、「岡の上」というタイトルの文章のなかに同じ文章が収められている。 しかし、なんといっても、「あめりか物語」の白眉は、最終話「6月の夜の夢」だろう。 あまり幸せそうでないアメリカ女性の出逢いとふれあい、そして別れが繊細な筆致で描かれていた。 結局、ふたりがなぜ別れなければならなかったのか、いまではすっかり忘れてしまったが。
小泉八雲は 黒人の女を 愛するようになって 世に入れられなくなった。米国風世論の 犠牲という。はじめて きいた。来日した 遠因かなと 感じた。
アメリカに関しては浅い表層の話に終始している。書かれた時期的にアメリカへの忖度があったからか?日本人が1週間以上滞米すれば肌色差別とか色々あると思うのだが。「都会の悪い所と田舎の良い所」はありきたりなので、田舎の悪い所と比較して欲しい。 しかし文の主題は日本の文化が(書かれた当時)枯れてるなぁという事だった。昔の日本では図書館の本を借りパクが多く古本屋に売られる事もあったとか。2021/11/22読了。