「たちあな姫」の感想
たちあな姫
たちあなひめ
初出:「太陽」1919(大正8)年4月号

菊池寛

分量:約27
書き出し:十一月の終か、十二月の初頃でした。私は、その日珍しく社から早く帰って来ました。退社の時刻は、大抵六時——どんなに早くっても五時だったのですが、其日にかぎって、四時頃に社を出たように思います。その頃は、江戸川|縁《べり》の西江戸川町に住んで居ました。琴の師匠の家の部屋を借りて、妻と一緒に暮して居たのです。その日、私は社から帰って来ますと、久し振りで銭湯へ行きました。そして、ゆったりとした気持になりま...
更新日: 2024/03/23
6d9568904a1dさんの感想

遠い国の凄惨なニュースを見たときの、あのやり場のない気持ちをありありと思い出す。同時に、主人公の善良な人柄に、人間も捨てたものでは無いと救われる思いがする。ですます調で書かれていることで、しんみりと胸に迫る。

更新日: 2023/12/11
14d020d8504bさんの感想

異国の話とはいえ凌辱された女性を、話の小ネタにしてしまうような完全な他人事の友人と、一瞬でも近い人と感じた主人公の違い

更新日: 2023/10/21
0d0420d16fb0さんの感想

人は、好む好まざるを問わず、誰しも単独では生きていない。 社会人として、国民として生きるのが、個人としても生きる唯一の道である。 もっと視野を広げると、一個の生物として、弱肉強食の枠組みの中にしか生きることが出来ない。

更新日: 2023/01/02
鍋焼きうどんさんの感想

100年前に菊池寛が嘆き憤った気持ちが100年後の今を生きる自分に強烈に訴えかける。今でも世界の各地で人権が踏みにじられ、虐待されている現実がある。どんな理由をもってしても人が人を虐待することは許されない。そうした行為は世界から廃絶するべきだ。

更新日: 2023/01/02
0c2892c2e65fさんの感想

ロシアの皇女の受けた恥辱は他人事ではない。人民の復讐の捌け口としても納得できない。