「夏すがた」の感想
夏すがた
なつすがた
初出:「夏すがた」籾山書店、1915(大正4)年1月20日

永井荷風

分量:約52
書き出し:一日頃懇意の仲買にすすめられて云わば義理ずくで半口《はんくち》乗った地所の売買が意外の大当り、慶三《けいぞう》はその儲《もうけ》の半分で手堅い会社の株券を買い、残る半分で馴染の芸者を引かした。慶三は古くから小川町辺に名を知られた唐物屋《とうぶつや》の二代目の主人、年はもう四十に近い。商業学校の出身で父の生きていた時分には家にばかり居るよりも少しは世間を見るが肝腎と一時横浜の外国商館へ月給の多寡を問...
更新日: 2024/05/06
19双之川喜41さんの感想

 題意は 蒸し暑い 夏なので あられもない 姿で 覗いたり 覗かれたりで 春情の気を 誘われるという 学校では あまり 教えない 意である。筋立ては 浮き浮きと 妾宅をととのえた 男が めかけの 昔の 男と 鉢合わせしてしまい 怒った旦那は めかけを 一旦は 放逐するけど 未練がましく 今度は あろうことか その都度 払いで その 不潔好きの 醜女の下に 通い始めるという 筋である。教訓として 醜女の 綺麗好きというのは 誤りである。思い込みは 知の 挫折であるからして 心しなくてはいけない のである。

更新日: 2023/03/19
阿波のケンさんさんの感想

色香に迷った男の心情がよく出ている。主人公は結局女狂いのケチな男だな。