菊池寛
芥川にも志賀にも、偶々出食わした小事件から来る不安を材に取った掌編があったと思う。自分の後ろめたさを感じていて、何となく雰囲気が似ている。
女の土左衛門があがった。役人が川から引き揚げようとするがうまく行かないその都度集まった野次馬から哄笑がどっと沸く。女は覚悟の自殺、死んだ後まで笑いものにされるのに作者は同情をよせるが…