肱鉄砲
ひじでっぽう
初出:「牟婁新報 第五八〇号」1906(明治39)年4月15日分量:約4分
書き出し:必要の一物曰く婦人問題、曰く女学生問題、と近年|遽《にわ》かに女の問題は、所謂識者の口に筆に難解の謎の如く、是非論評せらるゝに至れるが、而も其多くは身勝手なる男子が稍《やや》覚醒せんとしつゝある、我等婦人の気運を見て、驚きの余り我田引水の愚論を喋々せるものにして、耳を傾くるの価値あるものは、殆んど皆無と言ひても差支なき程なり。そは兎もあれ、妾は今、言稍極端なるに似たれ共、今日の婦人に尤も必要なる、...