「現代語訳 平家物語」の感想
現代語訳 平家物語
げんだいごやく へいけものがたり

13 灌頂の巻

13 かんじょうのまき初出:「世界名作全集 39 平家物語」平凡社、1960(昭和35)年2月12日

作者不詳

分量:約18
書き出し:大原入(女院御出家)壇の浦で入水するところを、源氏の兵に救い上げられ、京に帰った建礼門院は、昔とはうって変った侘《わび》しい生活を続けていた。昔、中納言法印|慶恵《きょうえ》という、奈良の僧が住んでいた坊が、空家になっていたところに住まわれていたが、見るかげもない廃屋で、草深い庭に囲まれ、寝所を掩う簾さえもない有様で、これが、かつて絢爛《けんらん》豪華な宮殿に、多くの侍女にかしずかれて過した人の住...
更新日: 2024/04/22
19双之川喜41さんの感想

 清盛の娘である 建礼門院(けんれいもんいん)は 黒髪を 切り 仏門に 入った。大地震で 住まいが 大きく 壊れた こともあり 大原の 寂光院に 転居した。その辺りは 鹿が 渡って行くような 侘しい 庵で 念仏三昧(ねんぶつざんまい)に 明け暮れて ときの流れを やり過ごし 寂しく 世を去った。栄華を 極めた 生涯だった だけに 読み手は 余計に 無情を 感じる のである。