03 第三巻
作者不詳
有王は 小さい頃から 俊寛に 目をかけられ いわば 従者のような 存在であった。鬼界ケ島に 一人 取り残されて 主の 安否も 定かではなく いてもたっても おれないので 有王は 俊寛の 娘からの 手紙を 元結に 隠し込んで 薩摩潟から 商人舟に 乗り込んで 島に 渡った。苦労の末に 俊寛と 巡り会い 手紙を 渡すことが 出来た。重なる 身内の不幸を 知らされ 俊寛は 自ら 食を絶ち 自死を 選び 37歳で 世を去ったという。流刑は 苛酷なる刑であると つくづく想った。