「現代語訳 平家物語」の感想
現代語訳 平家物語
げんだいごやく へいけものがたり

03 第三巻

03 だいさんかん初出:「世界名作全集 39 平家物語」平凡社、1960(昭和35)年2月12日

作者不詳

分量:約79
書き出し:赦文《ゆるしぶみ》治承二年の正月がやってきた。宮中の行事はすべて例年の如く行われ、四日には、高倉帝が院の御所にお出でになり、新年のお喜びを申し上げた。こうして表面は、いつもながらの目出度い正月の祝賀風景が繰りひろげられていたが、後白河法皇の心中は、内心穏やかならぬものがあった。成親はじめ側近の誰彼が、殺されたり流されたりしたのは、つい去年の夏のことである。その生々しい光景はまだ、昨日のできごとの様...
更新日: 2024/05/06
19双之川喜41さんの感想

 有王は 小さい頃から 俊寛に 目をかけられ いわば 従者のような 存在であった。鬼界ケ島に 一人 取り残されて 主の 安否も 定かではなく いてもたっても おれないので 有王は 俊寛の 娘からの 手紙を 元結に 隠し込んで 薩摩潟から 商人舟に 乗り込んで 島に 渡った。苦労の末に 俊寛と 巡り会い 手紙を 渡すことが 出来た。重なる 身内の不幸を 知らされ 俊寛は 自ら 食を絶ち 自死を 選び 37歳で 世を去ったという。流刑は 苛酷なる刑であると つくづく想った。