「なきがら陳情」の感想
なきがら陳情
なきがらちんじょう

森於菟

分量:約18
書き出し:僕は自分の大学の新築四階建の三階角の部屋で、台風何号かが九州南方海上で日本本土か、朝鮮方面か、どっちへ抜けようかと、思案投げ首のもやもやに感応して、ただの残暑よりも頭が重く、廻転椅子にぐったりして、うつらうつら昔を思い浮べている。工場まがいのビルの連立に偉容を誇る近代の新制大学とちがって、医学部なんぞも、空をつく欅《けやき》並木に沿うて並んだ一つ一つの赤煉瓦のドッシリした独立建物が、主任教授たる大...
更新日: 2025/11/13
decc031a3fabさんの感想

身体を大切にしろ、というなきがらからの陳情。「店子」は「借家」を勝手に使いがちという例え話が、ただのユーモアに留まらない大事な話題になっているが、ちょっと捻りが過ぎたかな?もっとも幾重にもねじらないとこうして書けない話題だが。