宇宙の二大星流
うちゅうのにだいせいりゅう
初出:「東京朝日新聞」1907(明治40)年12月14日分量:約6分
書き出し:我邦《わがくに》のような湿気の多い土地では、空が本当によく晴れ切って天《あま》の河原《かわら》の砂も拾えそうな夜は年中でわずかしかない。先ず十二月から正月へかけて二ヶ月くらいなものであろう。天文学者はこの機を利用して観測に耽り、詩人宗教家はこの間に星月夜の美観を唱い造化の偉大を頌《たた》える事が出来る。それで時節柄天体の運動に関する最新の大発見をちょっとここで読者に御紹介しておきたい。小学校や中学...