「十和田湖の裸像に与ふ」の感想
十和田湖の裸像に与ふ
とわだこのらぞうにあたう
初出:「婦人公論 第三十八巻第一号」中央公論社、1954(昭和29)年1月1日(公立図書館の蔵書検索では「第三十九巻第一号」に修正されている)

高村光太郎

分量:約1
書き出し:銅とスズとの合金が立つてゐる。どんな造型が行はれようと無機質の圖形にはちがひがない。はらわたや粘液や脂や汗や生きもののきたならしさはここにない。すさまじい十和田湖の圓錐空間にはまりこんで天然四元の平手打をまともにうける銅とスズとの合金で出來た女の裸像が二人影と形のやうに立つてゐる。いさぎよい非情の金屬が青くさびて地上に割れてくづれるまでこの原始林の壓力に堪へて立つなら幾千年でも默つて立つてろ。底本...
更新日: 2025/05/17
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  数十年前に 湖畔で 裸像の 実物を 見たことが あるけど 今でも その 美しさは 鮮明に 記憶に 残っている。造形家の 技の 永遠なる 企みと いうものには 驚嘆(きょうたん」する。銅と 錫の 合金製で 在るから これからも 原始林の 圧力に 耐えて 長く 存在感を 主張するであろう。像も 地震に 負けないことを 願う。