「迎合せざる人」の感想
迎合せざる人
げいごうせざるひと

尾崎士郎の文学

おざきしろうのぶんがく

坂口安吾

分量:約6
書き出し:日支事変以後、言論の圧迫が加わって、多くの作家が処世的に迎合し便乗的作品を書きはじめた時に、尾崎士郎はむしろ迎合しない側の作家であった。その彼が、太平洋戦争以後に、軍国主義文学の親玉の観を呈したに就ては、次のような理由があった。一九四一年十月ごろ青年作家何十名かに徴用令のあったとき、その中に加わった数名の知人を私は慰め見送ったが、その中で誰よりも打ちひしがれ、顔色すら蒼《あお》ざめて戦争を呪ってい...
更新日: 2025/06/21
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  小説家 尾崎は  軍国主義に たいして 迎合的な 作家というのが 一般的な 評価と されていた。 しかしながら それに対して 安吾は 尾崎を 擁護する。言いにくいことも ちりばめられているので 必ずしも 尾崎は 軍国主義者と 断定できない とする。散見できる 異見を 見れば そのようにも 読めるとも おもえる。安吾は むきになって 純文学的な 指向を あえて 鮮明にしたところに 時世の 哀しみが 見て取れると 感じた。