「迎合せざる人」の感想
迎合せざる人
げいごうせざるひと

尾崎士郎の文学

おざきしろうのぶんがく

坂口安吾

分量:約6
書き出し:日支事変以後、言論の圧迫が加わって、多くの作家が処世的に迎合し便乗的作品を書きはじめた時に、尾崎士郎はむしろ迎合しない側の作家であった。その彼が、太平洋戦争以後に、軍国主義文学の親玉の観を呈したに就ては、次のような理由があった。一九四一年十月ごろ青年作家何十名かに徴用令のあったとき、その中に加わった数名の知人を私は慰め見送ったが、その中で誰よりも打ちひしがれ、顔色すら蒼《あお》ざめて戦争を呪ってい...