戦後文章論
せんごぶんしょうろん
初出:「新潮 第四八巻第一〇号」1951(昭和26)年9月1日分量:約20分
書き出し:言葉は生きているものだ。しかし、生きている文章はめったにありません。ふだん話をするときの言葉で文章を書いても、それだけで文章が生きてくるワケには参らないが、話す言葉の方に生きた血が通い易いのは当然でしょう。会話にも話術というものがあるのだから、文章にも話術が必要なのは当り前。話をするように書いただけですむ筈はありません。「ギョッ」という流行語のモトはフクチャン漫画だろう。横山隆一の発明品である。彼...