「茶の間はガラあき」の感想
茶の間はガラあき
ちゃのまはがらあき
初出:「読売新聞 第二六九七四号」1952(昭和27)年1月17日

坂口安吾

分量:約4
書き出し:第三次世界戦争があるか、ないか。いつ起るか。どこのウチの茶の間の話も、日に一度ぐらいはそれにふれずにいられないような昨今である。そして、どこの茶の間の結論も、要するに「和戦両様の構え」らしい。むかし——といっても、そう遠い昔ではないが、軍人政治家がよく「和戦両様の構え」と言っていた。今はもっぱら日本の茶の間の態勢である。茶の間には国政を左右する何らの力もないから、もっぱら和戦両様の構えにまわるのは...
更新日: 2025/01/23
decc031a3fabさんの感想

昭和27年当時で、また日本が戦争に巻き込まれるという不安が、実は、坂口安吾のなかにもあったからと言えるのだろう。ソ連も核実験を行い、中国が共産化し、朝鮮戦争が泥沼化している狭間の日本には、アメリカ占領のもと立ち直りつつあるとは言え、第二次大戦のダメージはまだまだ残っていた。米ソ冷戦に前面で対峙せざるを得ない政治家や学者たちに、市井の茶の間は楽観しつつも、もう戦争はゴリゴリだって想いが、共通意識であったのだろうな。

更新日: 2024/12/15
8eb05d040692さんの感想

第三次世界大戦、そんなものはあってはならないけど、今の世界の現状を見てるとその可能性は低くないと思う。