ふたりのおばさん
ふたりのおばさん
初出:「銀河 第三卷・第一号 一月号」新潮社、1948(昭和23)年1月1日分量:約12分
書き出し:一カニと機械子どものくせにどうしてタカダのおばさんの家に、たびたび遊びに行ったかといえば、それはおばさんが話しぶりもやさしく子どものいやがるようなことをいわないからであった。子どものいやがることをいうおばさんは、いつもきまって意見がましくつべこべとしかるような調子で物をいうからである。タカダのおばさんの家はダイクさんだった。ダイクさんだったから坂の上に家を建てて住んでいたが、その家は妙な家で、坂の...