主人公の感情の落差がすごく細かく描写されている。 看護婦2人を見て驚かせないようにと踏み潰したタバコがあったのに、終盤では手術の紙を庭に捨てて行く所などが良いと思った。 學術の喜びを感じれば感じるほど、主人公は後悔するのだろう。 気になるなら読むべき。
ある時期 解剖の 情景を 執拗に 描写した 文学作品が 流行った ことが在った。本作品が それらの 影響を 受けて 執筆されたものかは 分からないけど 臆病な 小心者としては 読み進めるにつれて 頭が くらくらして 読み抜けるのには 気付け薬が いるなと 感じたりした。そも 御遺体は 当たり前のことながら 生と死の 狭間に 厳然と 存在するものであり 心を込めて 直視すべきではあるけど 自分には 冷厳な 科学的な 観察力に 欠けていると 想った。
今まで何体も解剖してきて、やはり身内の解剖は別ものなんだと思った。
科学と生活、の二つの言葉で表わされたことの内容は、78歳になろうとしている私ですが、よく解りません。 科学自体は悪ではないと思いますし、生活に統合され得るものだと思います。
でもやっぱりそうなるんじゃんって感じ。
好き嫌いはあると思うが衝撃的な作品だ。若い嫁が自分の喀血した血を何度も飲み込んだ生きることえの執念に感動した。