作家が プロット(すじ)を 思い巡らせるとき 避けようとしても 焼き直し 似たようなものに なってしまうのは 仕方がない ことかもしれない。金庫に 向かって 穴を 掘り進める手口を 拡大して 油田から 原油を かすり取るなどは 尊敬されてはいない 某国でも 思い付きそうだなと 失礼なことを ふと 思ったりした。
地中密かに穴を掘り進めて、何事かを企むというアイデアは、映画でいえば古くは「大脱走」とか「ショーシャンクの空に」とか、最近の映画では、「アンダーウォー地下道爆破計画」なんていうイギリス映画がありました。密かに穴を掘って敵の意表を突いて何事かを成し遂げるということに、多くの人は、限りないロマンを感じるからでしょうね。こういう筋立てだと、どうしてもフィルムノワールのようなストーリーを、つい期待してしまうところ、この小説は、あまりに淡白な終わり方だったので、ちょっとした肩透かしを受けた感じで軽い失望をしたかもしれません。