「悪の帝王」の感想
悪の帝王
あくのていおう

08 第8話 養岩油田

08 だいはちわ ようがんゆでん初出:1898年

ホワイトフレッド・M

分量:約22
書き出し:第一章グライドが相棒をしげしげ眺《なが》めた。あけすけにそうできる単純な理由は、相手が盲人の為だ。とはいえ、切羽詰まってガラクタに手を出したわけじゃないし、自分なりにはっきりと儲《もう》けが見えたからだ。相手のフランク・チェイスモアは、かつて美男子だったに違いないが、後年大事故に会って、乾燥クルミみたいな傷跡が残り、視力も失っていた。グライドが慎重に言った。「君の発明品を購入しようと思うんだが」相...
更新日: 2022/02/07
19双之川喜41さんの感想

 作家が プロット(すじ)を 思い巡らせるとき 避けようとしても 焼き直し 似たようなものに なってしまうのは 仕方がない ことかもしれない。金庫に 向かって 穴を 掘り進める手口を 拡大して 油田から 原油を かすり取るなどは 尊敬されてはいない 某国でも 思い付きそうだなと 失礼なことを ふと 思ったりした。

更新日: 2022/02/06
cdd6f53e9284さんの感想

地中密かに穴を掘り進めて、何事かを企むというアイデアは、映画でいえば古くは「大脱走」とか「ショーシャンクの空に」とか、最近の映画では、「アンダーウォー地下道爆破計画」なんていうイギリス映画がありました。密かに穴を掘って敵の意表を突いて何事かを成し遂げるということに、多くの人は、限りないロマンを感じるからでしょうね。こういう筋立てだと、どうしてもフィルムノワールのようなストーリーを、つい期待してしまうところ、この小説は、あまりに淡白な終わり方だったので、ちょっとした肩透かしを受けた感じで軽い失望をしたかもしれません。