19双之川喜41 1929年 夏 パリの ルクサンブル 公園で 北大理学部の 教授 候補者たちの 白黒写真が撮られた。 フランスは大戦の痛手がひどく そのためフランは暴落を続けていた。 それに反し 日本の 国力は隆盛に 向かっていたという。まるで線香花火が消え入る前に一瞬の輝きを見せるかのように円が強さを見せたという。こんにちでは外国人観光客が弱い円に群がって来るのと反対の現象であった。隔世の感に感慨を覚えた。
新学部の設置にあたって、教授候補の若手研究者を集めて海外留学させるなど今では考えられない余裕が羨ましい。 この文章が書かれたのち、敗戦と復興を経て、今は国力の低下がとまらない。そして今の文科省は若手研究者を潰すことを楽しんでいるようですらある。