「巴里の教授会」の感想
巴里の教授会
パリのきょうじゅかい

中谷宇吉郎

分量:約4
書き出し:この寫眞は、昭和四年の夏のものである。巴里のたしかルクサンブールの公園だったかと思うが、そこで撮った北大理學部の教授候補者たちの寫眞である。後列右端から説明すると、最初が現北大理學部長太泰教授、當時男爵であったが、いかにもノーブルな顏である。次が今立教大學へ移っておられる吉田洋一さん、名著『零の發見』の著者である。三人目が、地質の原田教授、次が地質の鈴木教授である。眞ん中の背の高いのが、現學術會議...
更新日: 2024/08/11
65c8aadc88adさんの感想

19双之川喜41 1929年 夏 パリの ルクサンブル 公園で 北大理学部の 教授 候補者たちの 白黒写真が撮られた。 フランスは大戦の痛手がひどく そのためフランは暴落を続けていた。 それに反し 日本の 国力は隆盛に 向かっていたという。まるで線香花火が消え入る前に一瞬の輝きを見せるかのように円が強さを見せたという。こんにちでは外国人観光客が弱い円に群がって来るのと反対の現象であった。隔世の感に感慨を覚えた。

更新日: 2024/06/24
ff7af2479881さんの感想

新学部の設置にあたって、教授候補の若手研究者を集めて海外留学させるなど今では考えられない余裕が羨ましい。 この文章が書かれたのち、敗戦と復興を経て、今は国力の低下がとまらない。そして今の文科省は若手研究者を潰すことを楽しんでいるようですらある。