聊斎志異 巻八「緑衣女」
蒲 松齢
若者と いい仲に なった 女は 蜂の 化身だった。見破った わかものに 渾身の 力を 振り絞って 別れの 挨拶を 伝えた。硯に 這い寄った 蜂は みずからを 墨汁の 中に 身を投じ ほぼ 溺れそうに なるほど 身体すべてに 墨を 浸し 謝という 文字を 書き上げる。飛び去った。蜂が 再び 若者の もとに 戻ることは なかったという。美しい蜂との 交流を 詩情溢れ出る 筆致で したためたと 感じた。