自我に目覚める前の子どもの頃って、遊びの中で自分と友達の存在が混ざってしまうような感覚をもっていたのかもしれないな〜と思い起こされる。 大人になってから、こんな描写が書けるってすごいことだな、、 自我を自覚し始める一歩前の微妙な感覚を描いた良作。
ヒチヒチと 音をたてて バッタが飛ぶのは 確かです。 麦藁(むぎわら)のなかで 組み合って ひなが一日遊び疲れ 気がつけば 友達のような 他人のような 気になることは あります。
小さい頃は他人と自分の境界はひどく曖昧で、当時一緒に遊んでいた友達はきっと自分と同じ気持ちで、自分が楽しいときは周りも楽しんでいるのだと根拠なく信じていた気がする。そうじゃないと気づいたのはいつのことだったろうか。思春期の入り口におそらく誰もが経験してはやがて忘れてしまった、とある悲しみのについてのお話。
少年が成長するときのひとつの発見。そんなこと気づかずに人は大人になっていくのだね。
なんか哲学的な、深い話もあって、勉強になりました。
短いけれど、心に残る作品です。せんちめんたる。