鴎外自身のちょっとした友人関係の話であるが、登場人物の心理にもあまり踏み込んではいないし、何か出来事があるわけでもないので、物語としては面白くも何ともない。 個人的な日記程度のもので、読者としては当時の日本の雰囲気の香りを楽しむか、あるいは鴎外自身に興味があれば楽しめるだろうと思う。
独語を さらに深く 勉強するために 東京から 小倉に 鴎外を 追いかけてきた 友と 哲学的な交流するために 小倉から 任務を終えて帰京する 鴎外を 追いかけて来た住職が 二人の友ということになる。 立派な職を終えてからも 鴎外の 分身と思われる主人公は 友と共に自己を鍛え上げる。 凡人には 真似のできることではないと 驚嘆した。
森鴎外が小倉住まいだったころに知り合った、二人の友達のはなし。一人はF君という、まだ二十歳そこそこの青年。鴎外に師事するために着の身着のまま東京から追っかけてきたらしい。 もう一人は安徳寺さんという、哲学を勉強してる純粋な住職さん。鴎外が東京に帰るとき、追っかけてきた人。 まったくタイプの異なる二人の友人との付き合いを、時間を経てビミョーに変わる関係性のなかで描き出している。