「カズイスチカ」の感想
カズイスチカ
カズイスチカ
初出:「三田文学」1911(明治44)年2月

森鴎外

分量:約26
書き出し:父が開業をしていたので、花房《はなぶさ》医学士は卒業する少し前から、休課に父の許《もと》へ来ている間は、代診の真似事《まねごと》をしていた。花房の父の診療所は大千住《おおせんじゅ》にあったが、小金井きみ子という女が「千住の家」というものを書いて、委《くわ》しくこの家の事を叙述しているから、loco《ロコ》 citato《チタト》 としてここには贅《ぜい》せない。Monet《モネエ》 なんぞは同じ池...
更新日: 2016/04/23
a98a2cd23bf1さんの感想

とても温和で 丁寧な 医者だったとおもわれます。 破傷風でも 完治できたのかと 感心しました。 作者の親との関係も うかがい知れて いい感じ。

更新日: 2016/02/01
3e9c4b240bacさんの感想

花房という医者親子の話。 医学の話、さすが鴎外先生は当日医者だったせいかリアルに書いてます。 顎の外れた患者を、解剖学的知識を駆使して鮮やかに治した話、「一枚板」のように筋肉をこわばらせ痙攣させる破傷風患者の少年、 腹が張って苦しむ女。腹水か悪性腫瘍かと判別しかねていたが、聴診器をあてて何のことはない「生理的腫瘍(=妊娠)」だったことが発覚した話…。 いろんな患者に対応する若先生 そして経験に基づく適格な診療を行う老先生の話。なかなか愉快でした。