「妄想」の感想
妄想
もうそう
初出:「三田文学」1911(明治44)年3月、4月

森鴎外

分量:約40
書き出し:目前《もくぜん》には広々と海が横はつてゐる。その海から打ち上げられた砂が、小山のやうに盛り上がつて、自然の堤防を形づくつてゐる。アイルランドとスコットランドとから起つて、ヨオロッパ一般に行はれるやうになつた 〔du^n〕《ドユウン》 といふ語《ことば》は、かういふ処を斥《さ》して言ふのである。その砂山の上に、ひよろひよろした赤松が簇《むら》がつて生えてゐる。余り年を経た松ではない。海を眺めてゐる白...
更新日: 2020/11/07
19双之川喜41さんの感想

 鴎外の苦悩の根にあるものは 西洋人のように 自我が無くなることを 大いなる苦痛とは 必ずしも 考えられないことに有るのでは なかろうか。 哲学者から 突破口を見つけようと 耽読したのではないだろうかと感じた。

更新日: 2016/02/14
3e9c4b240bacさんの感想

個人的に大好きな作品。 自我とか生命とか死とかそう言うものについての思索 それから、若いときに影響を受けた哲学者のこととか、また若いときと年取ってからの読書に対する姿勢(年取ってからも読書は沢山するけれど、若いときよりはちょっと距離置いてものを見てるよね、という…。) 理系だけど小説が好き、 なにか一大事業を成したい(理系的な法則を世の中のものに見いだしたり、あるいは哲学の一分画を開拓したり)けれど年取って今はそういう気概も時間も無し、 …。という とにかくやたらとりとめの無い思想のあれこれを雑記的に書いてる。 理系専攻の読書人の悩みあるある 的な感じでした。これは再読しようっと。