サクッと読了。不思議な読後感。長女が姉妹姉弟全員の命と引き替えで父親を生かそうとする。その理由の部分がいまいちわからないので、感心や哀れみでなく恐怖を覚える。
ある判決を下す人は、これで良かったのだろうか、何か間違いは無いだろうか、これが最も良いのだろうか、と考えると言う。この一句は、かの時代の人には胸に突き刺す最後の一句だったと思います。
ひとりの人間の命をめぐる強者と弱者の戦いのドラマです。絶大な権力者でさえ畏怖させ動かしてしまう「献身」という行為に秘められた愛と反抗の強さ。少女の背後に潜むモノに突然気づき、総毛立つ佐佐の様子とか、読む度にゾワゾワ来ます。
不祥事をおこして死刑宣告された父親のために、兄弟四人が助命の嘆願書をもって役所へ直訴しにいく。幼いながらも一生懸命、ひらがなで嘆願書に、「父の命を助けるかわりに兄弟四人を死刑にしてほしい」と記す。 後日役所に呼び出され改めて助命の嘆願をする。そのとき長女のいちの放つ言葉が印象的だった。「お上のことに間違いはございますまいから。」←これ盛大な捨て台詞っていうか反抗的台詞だよね 幼いながらも、当時の日本の役人たちに突き刺さる言葉を慎重に、しかも容赦なく言い放ったいちがほんとにすごい やっぱ女子は、窮地に立ったとき強いそして女児はこどもであってもどこか大人な一面を持ってるわ