「杯」の感想
さかずき
初出:「中央公論」1910(明治43)年1月

森鴎外

分量:約8
書き出し:温泉宿から皷《つづみ》が滝《たき》へ登って行く途中に、清冽《せいれつ》な泉が湧《わ》き出ている。水は井桁《いげた》の上に凸面《とつめん》をなして、盛り上げたようになって、余ったのは四方へ流れ落ちるのである。青い美しい苔《こけ》が井桁の外を掩《おお》うている。夏の朝である。泉を繞《めぐ》る木々の梢《こずえ》には、今まで立ち籠《こ》めていた靄《もや》が、まだちぎれちぎれになって残っている。万斛《ばんこ...
更新日: 2025/07/04
艚埜臚羇1941さんの感想

  宿から 滝に 登って 行く 途中に 清冽な 泉が ある。少女達は 持って 来た 容器を 杯 代わりに 泉の 水で 喉を 潤す。そこに 外人の 少女が 遅れて 登って きて ちいさな 器で 飲もうとしたので 大きめな 器を 差し出すと 私は 私の 杯で 飲むからと ドイツ語で 断られて しまう。原住民の 少女達の 容器は 薄気味悪いと 感じたのかも しれない。

更新日: 2022/11/28
a51f8fbd8a79さんの感想

寓話として読みました。日本文化と西洋文化の相違、そしてそれに接した日本人の戸惑い。

更新日: 2016/02/18
3e9c4b240bacさんの感想

森鴎外にしては(?)、叙情的で詩的な雰囲気。 温泉宿にやってきた女の子たちを描写してる。 西洋人の女の子が、りんとして「私は自分の杯を使います」とかドイツ語?で言ったところとか印象的でした。 しかし私は森鴎外にはこーゆー作風求めてないんだよな(・・;)いや、素敵なんですけどね!