「心中」の感想
心中
しんじゅう
初出:「中央公論」1911(明治44)年8月

森鴎外

分量:約23
書き出し:お金《きん》がどの客にも一度はきっとする話であった。どうかして間違って二度話し掛けて、その客に「ひゅうひゅうと云うのだろう」なんぞと、先《せん》を越して云われようものなら、お金の悔やしがりようは一通りではない。なぜと云うに、あの女は一度来た客を忘れると云うことはないと云って、ひどく自分の記憶を恃《たの》んでいたからである。それを客の方から頼んで二度話して貰ったものは、恐らくは僕一人であろう。それは...
更新日: 2021/05/17
0036fe27d072さんの感想

心中した二人を主体にしないで幽霊話の付け足しになっている。作者はこの手の話は得意ではなさそうだ。

更新日: 2016/02/19
3e9c4b240bacさんの感想

川桝という料理屋の女中さんから聞いた話を森鴎外が小説に書いてみたもの。 田舎から出奔してきた家出娘。愛想よく謙虚でよく気が利いて働き者。料理屋のおかみさんもことのほかこの娘を可愛がってた。実家の縁談を足蹴にして家出してきたのは、東京に好いた男がいるからだった。 この男ときどき店にやってきては娘さんと何やら話し込んでいる。 ある雪の夜、女中が二人厠に立つと、ひゅうひゅう、おとが聞こえてくる。最初は風のおとかと思ったがどうやら違うらしい。音の聞こえてくる部屋の障子をあけると、そこには…! という話。 なんだか怪談聞いてるようで面白かった。