「六白金星」の感想
六白金星
ろっぱくきんせい

織田作之助

分量:約49
書き出し:楢雄《ならを》は生れつき頭が悪く、近眼で、何をさせても鈍臭《どんくさ》い子供だつたが、ただ一つ蠅を獲《と》るのが巧くて、心の寂しい時は蠅を獲つた。蠅といふ奴は横と上は見えるが、正面は見えぬ故、真つ直ぐ手を持つて行けばいいのだと言ひながら、あつといふ間に掌の中へ一匹入れてしまふと、それで心が慰まるらしく、またその鮮かさをひそかに自慢にしてゐるらしく、それが一層楢雄を頭の悪いしよんぼりした子供に見せて...
更新日: 2020/11/07
19双之川喜41さんの感想

 妾の子で 愚弟賢兄を軸に 話は展開する。 弟は 蝿とりの自称名人として 自己実現をはかる。 将棋にも 凝っていたりする。 はちゃめちゃな生活が なんともおもしろいと感じた。

更新日: 2017/12/02
adf2f73fa530さんの感想

織田作之助のこの作品は初めて読んだが、デカダンス時代の空気が妾の兄弟に影落としその生き様の兄弟の決着をミナミの将棋場でつける展開に短編小説の醍醐味とさすが織田作之助小説と納得させられた。