「猟奇の街」の感想
猟奇の街
りょうきのまち

佐左木俊郎

分量:約37
書き出し:東京は靄《もや》の濃い晩秋だった。街は靄から明けて靄の中に暮れていった。——冷えびえと蠢《うごめ》いているこの羅《うすもの》の陰には何事かがある?本当に、何事かが起こっているに相違ない?——彼は東京の靄が濃くなるごとに、この抽象的な観念に捉《とら》えられるのだった。猟奇的な気持ちでありながら、また一種の恐怖観念なのであった。彼はある朝早く、濃い靄に包まれている街の中を工場地帯に向けて歩いていた。ど...
更新日: 2020/11/07
19双之川喜41さんの感想

 女は 夫が工場で 悲惨な 死を遂げたので  精神に異常をきたした。 町で ゆきずりの男を見かけると  未だに死を信じることが できないので 急に 失踪した 夫が 戻ってきたと思い込み 執拗に 声をかけるようになってしまった。 医者は 女が全治する方法はあると言うけど  本当だろうか。