「錯覚の拷問室」の感想
錯覚の拷問室
さっかくのごうもんしつ

佐左木俊郎

分量:約36
書き出し:1集落から六、七町(一町は約一〇九メートル)ほどの丘の中腹に小学校があった。校舎は正方形の敷地の両側を占めていた。北から南に、長い木造の平屋建てだった。第七学級の教室はその最北端にあった。背後は丘を切り崩した赤土の崖《がけ》だった。窓の前は白楊《はくよう》や桜や楓《かえで》などの植込みになっていた。乱雑に、しかも無闇《むやみ》と植え込んだその落葉樹が、晩春から初秋にかけては真っ暗に茂るのだった。そ...