「接吻を盗む女の話」の感想
接吻を盗む女の話
せっぷんをぬすむおんなのはなし

佐左木俊郎

分量:約12
書き出し:一街裏の露地で社は五時に退《ひ》けることになっていた。併し、鈴木三枝子は大抵《たいてい》の日を六時か六時半まで社に残るのだった。別に仕事はしなくてもタイム・レコードで居残り割増金をくれることになっているからだった。鈴木三枝子は、昼の仕事をなるべく残すようにして置いて、居残りの時間をつくるようにした。地方の読者への勧誘状を書いたり、問い合わせに対する返事を書いたりして、彼女はどうかすると、八時頃まで...