渡辺温
出だしは 軽妙でも 読後は 深いと 思わせる。 街で 見かけた 憧れの 少女らしき人は 無銭飲食をして 騒ぎとなる。 何かに 憧れていても 憧れの対象を よくみてないことはあると感じた。
主人公の井深は、モダニズムに傾倒していた渡辺温自身、少女は温がずっと愛していて結婚まで考えていたという女優の及川道子 が モデルとなっているのか。現実と幻想の重複した不思議な世界に引き込まれる魅力的な短編。