「硝子戸の中」の感想
硝子戸の中
がらすどのうち
初出:「朝日新聞」1915(大正4)年1月13日~2月23日

夏目漱石

分量:約153
書き出し:一硝子戸《ガラスど》の中《うち》から外を見渡すと、霜除《しもよけ》をした芭蕉《ばしょう》だの、赤い実《み》の結《な》った梅もどきの枝だの、無遠慮に直立した電信柱だのがすぐ眼に着くが、その他にこれと云って数え立てるほどのものはほとんど視線に入って来《こ》ない。書斎にいる私の眼界は極《きわ》めて単調でそうしてまた極めて狭いのである。その上私は去年の暮から風邪《かぜ》を引いてほとんど表へ出ずに、毎日この...
更新日: 2024/03/25
矢部小路角三さんの感想

漱石ってこんなにフランクだったっけ?明治かくあり。

更新日: 2020/04/30
07859be9c7dbさんの感想

漱石自身の家族が、とうじょうしている、彼の人となりを 読み解く貴重な作品と言える

更新日: 2019/10/29
19双之川喜41さんの感想

 漱石は 家猫の死んだあとは 犬を飼っていたようで そのワンコが  友達ワンコを 庭に連れ込み 穴を掘ったり 転げ廻ったりして 飼い主を困らす描写は 微笑ましい。 作者にたいする 理解が深まるので 読み始めとして お手頃と思われる。

更新日: 2018/11/12
sumizukiさんの感想

まるで夏目漱石の徒然草のよう。 この気持ち、なんか分かる〜と共感できたり。漱石を身近に感じられた。 何気ない日常事から始まり、段々と過去に遡り、最後は幼少期を振り返る。 漱石の人間味溢れる一面が見え、すらすら読める本。

更新日: 2018/08/22
86907b788e63さんの感想

毎晩、寝る前に一章づつ読んでみた。毎夜の楽しみになっていた。気がついたら最後のページとなっていた。寂しい気分…

更新日: 2018/06/25
187d34e41b68さんの感想

小説も良いが、心情や時代風俗が書かれたエッセイもいい。文豪の繊細な人柄が良く垣間見られる。 最後の章で自信の露悪を躊躇しているような記述があるが、ふと「我輩は猫である」の一節を思い出した。 ウィキペディアによると漱石は癇癪持ちで、よく妻に手をあげていたらしい。今で言うDV。胃痛と繊細がゆえのノイローゼ(死語?)に苦しんでいたという。おおらかで裏表の無い妻に惹かれたそうであるが、物事は一長一短。彼女の無神経さが文豪の神経に障る事も多かったのであろう。 「我輩は猫である」の中に、妻に強くせがまれて芝居を見に行く約束をしてしまったが、気乗りせずあれやこれやと難癖をつけた挙げ句に胃痛を催し医者を呼びつけてすったもんだする。結局妻が楽しみにしていた芝居に連れていってやれずに妻に呆れられる。 その事件について猫の目を通して自分自身を侮蔑している節がある。 恐らくこれが実際にあったかどうかは分からないが、妻に対する態度(外面)と、猫の目を通した懺悔(内面)は実際に漱石が感じていたことに違いないと思われる。 物事を観察する鋭い眼は、当然自分自身にも向けられていたであろう。五十歳そこそこで亡くなられた文豪。もう少し長く生きていて欲しかった。

更新日: 2015/12/12
b6226aa70d42さんの感想

面白かった