「変な音」の感想
変な音
へんなおと

夏目漱石

分量:約11
書き出し:上うと/\したと思ふうちに眼が覺《さ》めた。すると、隣の室《へや》で妙な音がする。始めは何の音とも又何處から來るとも判然《はつきり》した見當が付かなかつたが、聞いてゐるうちに、段々耳の中へ纒まつた觀念が出來てきた。何でも山葵卸《わさびおろ》しで大根《だいこ》かなにかをごそごそ擦《す》つてゐるに違ない。自分は確に左樣《さう》だと思つた。夫《それ》にしても今頃何の必要があつて、隣りの室《へや》で大根卸...
更新日: 2019/12/26
うさぎ御前さんの感想

明治44年だと亡くなる5年前のお話だろうか。その頃から既に死に行く人になっていたのか、と思うのと、入院すると退屈だから他人が気になるよね、と。自分の入院時を思い返して共感しきり。

更新日: 2017/03/18
01f19f7daa89さんの感想

短編だったがよくまとめられていた。 精神状態によって同じ事象への受け取りかたがこうも違うのだということを思い知らされる。 そして感慨に浸れる締めくくりで終わり、何とも言えない余韻を残してくれる。