下宿は 下町にあったので 英語といっても 独特な 言い回しや 表現で 英文学の 勉強をした 漱石も かなり 手こずった様子が 見てとられる。 引っ越しの様子も 描かれているけど あまりみない引っ越しで 古い下宿の 家主が 引っ越した先に 一緒についていく いわば飼い猫も一緒の 宿替えみたいなものである。
自分は実家から離れた地方で大学生活を送っているが、神経衰弱になっているこの時期に読了。英国人との外見や性質及び言語の違いや貧乏な生活の中で悩んだり将来に期待してしまう姿は非常に共感できた。日々の環境によって精神までも影響を受けてしまうものだ。「前後を切断せよ、妄に過去に執着するなかれ、いたずらに将来に望みを属するなかれ、満身の力を込めて現在に働け」という自分自身へのエールは心に響くものがあった。人間は過去に優しく、未来には優しくされることを願う傾向にあるものだ。しかし、その時間は有益なものとはいえず、精神を病む原因すら生み出すものである。よく注意して生きていきたい。 手紙であるからか言い回しも少し可笑しいものが含まれていた。「気の毒のような可哀想のようなまたおかしいような五目寿司のような」という言い回しがお気に入りである。なかなかわかるような、わからないようなそんなところが良いと思う。