「門」の感想
もん
初出:「朝日新聞」1910(明治43)年3月1日~6月12日

夏目漱石

分量:約409
書き出し:一宗助《そうすけ》は先刻《さっき》から縁側《えんがわ》へ坐蒲団《ざぶとん》を持ち出して、日当りの好さそうな所へ気楽に胡坐《あぐら》をかいて見たが、やがて手に持っている雑誌を放り出すと共に、ごろりと横になった。秋日和《あきびより》と名のつくほどの上天気なので、往来を行く人の下駄《げた》の響が、静かな町だけに、朗らかに聞えて来る。肱枕《ひじまくら》をして軒から上を見上げると、奇麗《きれい》な空が一面に...
更新日: 2021/05/19
39aca549f062さんの感想

物語に特別の趣向は無いけれども、漱石の文章はどうしてこうも機微が鮮やかなのだろう。何時もながら、唸るしかない。

更新日: 2020/11/07
19双之川喜41さんの感想

 人の女房と枯木の枝は 登り詰めたら先がないというのに 所帯をもってしまうから 鬱々悶々が 通奏低音となり 門を 出入りしても 気がはれないのかもしれない。 地の文も 魅力的だと 感じた。

更新日: 2020/04/06
dc822ff9dcc6さんの感想

感動

更新日: 2019/10/10
b9ef941530ccさんの感想

2018年10月12日で中断していた青空文庫の通勤車内読書を一年ぶりに再開した。没落した家の役所勤めの宗助と妻の御米の夫婦の話。あまり面白くない。

更新日: 2018/05/25
396ee3e64bafさんの感想

「門」は漱石の前期三部作の三作目。一作目の「三四郎」は気になる女性たちが描かれ、二作目の「それから」では友人の妻に横恋慕し、「門」では友人の妻を奪ってしまう。それぞれ主人公や背景は異なるものの、テーマは分かりやすい。宗助は友人の長井を裏切り、その妻 御米を奪って結ばれるが、それを負い目に苦しみながら、不幸なことばかりでなかなか二人には慎ましやかな幸せしか訪れない。事を起こすにも優柔不断で何でも先送りにする宗助には苛々するが、そのペースに徐々に慣れてくる自分に笑ってしまう。世間から顔を背けるように生きていく二人には、負けずに生きて幸せになってほしいと願うばかりだった。

更新日: 2018/03/19
23380ab0236eさんの感想

過去の出来事が今を脅かし、幸せに辿り着けずにいる。 文章が少し読みづらかった。

更新日: 2016/07/13
Tomotoさんの感想

『吾輩は猫である』を読んだ直後にこれを読んだけど、作風の違いに驚いた。 豊かな暗喩で、平和な情景にほの暗く落ちている登場人物の闇が始終感じられて読み心地もよいですね