三四郎が最初から最後まで徒労に終わる。片想いしてなんにも実らず、相手の女は夫を手にして悠々としてる。借りた金も返してしまえば二人の間には何にもない。それでも三四郎はお光さんと結婚しないのだろうか。お光さんは三四郎の嫁に納まる気でいるみたいだが(三四郎の母親もそれを望んでるみたいだが)、そんな悪い人ではなさそうだ。なにより裁縫が得意だ。ただ美禰子に恋する三四郎には目に入らないみたいである。田舎に嫁のあってもいいぞ、三四郎。
雙喜 いわゆる 世上 喧伝されている エゴイズムではなく 個々人の 自由な 成長と 発展を 重要視する という意味での 個人主義というものの 大切さを 紙背に秘めて 執筆 されては いるらしい けど なかなか それが 読み手には 伝わって きていない。どのような 生きざまが この考えと 親和性が あるのか 合点がいった読み手は もしいるとしたら 偉いと 想った。07:18
自分に学がなく大学生活の始まりあたりで現代と違うかもしれない場面をいろいろ確認が必要な為、スラスラと読む事ができなかった 読めるけど頭ですぐ理解できませんでした 読み途中ですがやや苦痛を感じてます
幻学的と思う。 最高学府に 意気込んで入ってきて戸惑う青年は よくある挫折感を 味わざるを えなくなる。 高等で 難解な議論が 展開される。 それなりに 伝わる場面もあると 感じるのである 。
前作『抗夫』は鉱山の坑道のどん底では、別の坊ちゃんの話としてもマドンナすら出て来ない、まるで艶の欠ける作品であったので、漱石は今作では出足から猛烈に(特に男性の)読者を釣り上げに来る。とは言え、全体としては、それ程、扇情的なムードというわけでもない。 この作は近代文学に流行った「教養小説」ジャンルを意識していて、東大にまつわる逸話も併せて青春文学の古典としてあんまり有名であるし、三十年も昔、五里霧中の若い時代に早足で読んだ印象もそれ程強くもないので、甘い青春物語というつもりであんまり期待しないで読んだ。読み終えれば、「時よ、止まれ。汝は美しい」という、寂しくて美しい青春の一光景が、思いの外、心に重く刺さって来る。今時、この腐った世界の真ん中で暮らしていると、そういう感情を呼び覚まされる機会はゼロに等しいことを思う。古典とは退屈だから古典というわけではないということを思い出すべきかも知らない。 かの森鴎外は今作に刺激されて『青年』なる作品を書くことになった。ヒロイン美禰子(みねこ)のモデルは平塚らいてうというのは不勉強にして初耳。あちらこちらの道具立てが、ふとドストエフスキーの『悪霊』を連想させる一面もある。 作中、三四郎が小間物屋で美禰子達にデタラメに選んでやるヘリオトロープという香水は、恋の香りとのこと。
刹那
やっと、読み終わった、 気分は何だか、スッキリしない、歯切れの悪いストーリイから、心に淀んだ糟が、残ったようだ、
爽やかやのー
最初はいささか読みにくい!と思えたが、素直に主人公の気持ちに動かされて言った。個人の感情の重さがなく、悩みを深刻にしない。漱石は物事の分析を重々しくせず風のように通り過ぎ去った事実のみを書いている。
学生時代の生活ってこんなだったよなと思いながら楽しく読んだ。 トリックスター的な与次郎がいい。 女性達は自由がなくて可哀想だった、美穪子は多分三四郎の事が好きだったんだろうなと思う。
夏目漱石の『三四郎』は、女のことばかりを気にする、三四郎と言う熊本から東京の大学にきた学生の話し。上京の列車の中から、女のことばかり気にする。下宿の女も、美禰子という女にはとりわけ気にしているが、結局、美禰子は他の男と結婚して、三四郎は一人のまま。夏目漱石の若き時代の自分自身の女たらしの心持を告ったものか。
面白かった インフルエンザってこんな昔から日常にあったんですね
一世紀以上前の作品ではあるけれど、古さはまったく感じられない。 題材が、学生の青春群像なので、ありがちといえばそう。 しかし、さすがに漱石の文は軽妙で飽きさせない。 その一方で、女性の社会進出、権利意識の上昇を背景とした婚姻、家父長制等の日本的価値観の瓦解を野々宮よし子、里見美禰子を評する広田や野々宮、原口、与次郎を通して描いている。 イブセン、イブセンて、どんだけ影響あったのかと思うくらい出てきて、当時、女性の自我を語る時にはイプセンが共通項になっていたんだろうなと。 所々に当時のインテリ的おしゃれアイテムの描写や蘊蓄があって、それも飽きさせない工夫として効果的。 時系列を進ませるイベントもうまく配されていて、ストーリーや雰囲気が理解しやすいのも読みやすさに繋がっている。 このあとも野々宮さんはよし子に苦労させられるんだろうと想像しますね。 美禰子をもらったらもっと大変だったでしょうが。
片思いの青年の話。青年自身、自意識が高く、奥手。他人の顔色ばかり伺い、考えてから話すタイプ。脇役が魅力的。 面白いか面白くないか、途中は面白く読んでた。最後にはあっさりした感。 何気ない生活の日々が読みごたえあり。