「雨の日に香を燻く」の感想
雨の日に香を燻く
あめのひにこうをたく

薄田泣菫

分量:約7
書き出し:雨の日に香を燻く薄田泣菫一梅雨まへには、今年はきつと乾梅雨だらうといふことでしたが、梅雨に入つてからは、今日まで二度の雨で、二度ともよく降りました。私は雨の日が好きです。それは晴れた日の快活さにも需めることの出来ない静かさが味ははれるからであります。毎日毎日降り続く梅雨の雨は、私のやうな病気勝ちな者にとつては、いくらか鬱陶し過ぎるやうですが、それすらある程度まで外界のうるささからのがれて、静かな心...
更新日: 2021/06/09
e4c0eb387665さんの感想

息をしないコンクリートの箱住まいには、聞香もお湿りも悲しいかな泣菫が懐いた「しをり」を「聞くこと」あたはず、なのだが、古来自然界の妙味にこころ育んできたご先祖の住まい方や生き方にこうして触れ得ることはありがたいように思う。野蛮な近代−現代の破綻しかかった物質文明の中で、落とし物を拾ったようなしあわせ。露伴と泣菫とのやり取りも、おやっと思う。文学者の矜持は実体験に裏打ちされるものの方に軍配が上がると思うが、そんなことは些末なことである。雨を聞き、雨滴にきらめくタチアオイのすっくと立つを眺め、柔よく剛を制す。

更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 鯰(なまず)切りのことを 釣り名人として名高い  京都大学の講師をしていた頃の  幸田露伴に話したら 露伴から  鯰は臆病なので  そんなはずはないと  言われたと  ムキになって 話しているのが  何とも面白い。 聞香(もんこう)を たしなむとは 奥ゆかしいと感じた。

更新日: 2016/10/20
c350e581be62さんの感想

読了後、雨の日の空気が漂ってきました。

更新日: 2016/05/26
80c236001b1eさんの感想

内容がイマイチ