「性急な思想」の感想
性急な思想
せっかちなしそう

石川啄木

分量:約10
書き出し:一最近数年間の文壇及び思想界の動乱は、それにたずさわった多くの人々の心を、著るしく性急《せっかち》にした。意地の悪い言い方をすれば、今日新聞や雑誌の上でよく見受ける「近代的」という言葉の意味は、「性急《せっかち》なる」という事に過ぎないとも言える。同じ見方から、「我々近代人は」というのを「我々性急《せっかち》な者共は」と解した方がその人の言わんとするところの内容を比較的正確にかつ容易に享入《うけい...
更新日: 2024/01/03
021087f260b0さんの感想

なんだか理想論であるような気がする。ぼくは高い所に立って全体を見渡したこともないし、これからそのために生きたいとも思えない。目的は確かにないけれど、目的があるのも身勝手な理由づけじゃないのかな。

更新日: 2016/07/02
芦屋のまーちゃんさんの感想

近代化=性急な(せっかちな) と啄木は指摘する 明治と平成を比較しても意味はない 大正が近代なのだろう もっとも、コンピューターの情報処理能力や東京/大阪間の新幹線などの物理的なスピードを問題にしている訳ではない たとえば 平成の世でも大ブーム?の 不倫について 不倫は背徳、罪であるという従来の道徳があり、近代的視線からするとそれは自然の摂理に反する 男女の関係は自由であるべきである という考え もし、それが通説として確立していたなら、少なくとも平成の日本は 妻(夫)を愛していれば、他人と性行為をしても自由だ つまり、浮気は容認できる 幸運にも平成時代は啄木が心配した、道徳乃至人間が破産はしていない 「今日の仕事は明日の仕事の土台」 名言だ 土台を破壊してはダメなのだ 大切なのは反省し改善なのだ ‘人を殺して何が悪いのだ!’ という正気な人間に ‘そうだね。人間も動物、動物なら本来自由に本能のままに生きるのが自然だ!法も道徳も社会も必要ない。君の言う通りだ’ なんて、誰が言うだろうか 先達の知恵や思想はソクラテスや孔子の時代から「土台」として存在する