「突貫紀行」の感想
突貫紀行
とっかんきこう

幸田露伴

分量:約25
書き出し:身には疾《やまい》あり、胸には愁《うれい》あり、悪因縁《あくいんねん》は逐《お》えども去らず、未来に楽しき到着点《とうちゃくてん》の認めらるるなく、目前に痛き刺激物《しげきぶつ》あり、慾《よく》あれども銭なく、望みあれども縁《えん》遠し、よし突貫してこの逆境を出《い》でむと決したり。五六枚の衣を売り、一|行李《こうり》の書を典し、我を愛する人二三にのみ別《わかれ》をつげて忽然《こつぜん》出発す。時...
更新日: 2022/03/23
阿波のケンさん36さんの感想

明治20年の事を描いているが函館は東京の如しとその発展を形容している。小樽から東京の間で褒めているのは松島の景色だけというのが面白い。

更新日: 2021/05/06
e4c0eb387665さんの感想

開高健『華夏、人あれば食ありii』に触れる露伴の蘇東坡論はないかとページを探すにこれなく、露伴若き頃の決死の旅日記に行き着いた。足まめの痛み、ちぎれる草鞋、食あたり、路銀の乏しさに自嘲し世間のせち辛さをおのが傷口に敢えて塗り込めるように歯を食いしばり、東京への長途の旅を続けるそのひたむきさに感じ入った。思うに、おのが足もて歩かずんばなさざらぬと。天晴、青春の記なり。

更新日: 2018/01/27
gnosaさんの感想

現代風に言うなら無頼旅。漂泊の中で生まれる歌もある。