織田作之助
将棋バカ一代坂田三吉の名勝負。確立された将棋のセオリーから逸脱して打った初手の九四歩が七日間の対局の間中坂田を苦しめる。勝つことよりも将棋に夢中になれるこの苦しみの時間を坂田は愛したのかもしれない。
無学文盲で 棋譜も 読むことができない 棋士というのは 今では 想像もできないような 存在であるけど 当時は 盛大に大衆の支持を得ていた。 坂田三吉は すでに伝説上の 存在であり これから後には 絶対 に出ないような 棋士であるところに 値打ちがあるとは思う。