「萱草に寄す」の感想
萱草に寄す
わすれぐさによす

立原道造

分量:約6
書き出し:SONATINENo.1はじめてのものにささやかな地異はそのかたみに灰を降らしたこの村にひとしきり灰はかなしい追憶のやうに音立てて樹木の梢に家々の屋根に降りしきつたその夜月は明かつたが私はひとと窓に凭れて語りあつた(その窓からは山の姿が見えた)部屋の隅々に峡谷のやうに光とよくひびく笑ひ声が溢れてゐた——人の心を知ることは……人の心とは……私はそのひとが蛾を追ふ手つきをあれは蛾を把へようとするのだら...
更新日: 2021/05/15
0036fe27d072さんの感想

ほとばしる青春を短く生きた作者の愛の叫びの詩だ。火の山、湖、青い雲、風立つ、青い果実一体何処の風景であろうか? 堀辰雄の「菜穂子」の中に都築明として描かれていることから軽井沢とその周辺の風景を描いたものであろう。心を突き動かされる。 

更新日: 2021/05/14
水橋さんの感想

本文の、わかれる昼に、の最後の文。 ひとよ いろいろなものがやさしく見いるので 唇を噛んで 私は憤ることが出来ないようだ やさしい目にじっと見られる私が、苦しむや憤慨するも出来ないのに、自由であるよりも美しい気がする それは立原道造が、あえて口語を用いて詩の世界に形式的な美、日本語の音の響きを意識したからだろうか。

更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 読み 意味 すんなり理解できない箇所が かなりあるので 詩情を 味わうのに 過不足なく 読みといたとも 我ながら 思われない。 立原の詩は こなれているという印象は 思い込みかなと感じた。

更新日: 2018/09/16
大宇宙の少年さんの感想

うーん、自分が不勉強なもので解りません 出会いと愛と別れの思い出を四季に併せて詠んでいるのでしょうか? ただ何となく、並々ならぬ想いは感じます

更新日: 2015/06/18
兎に角さんの感想

過去の幸せで、穏やだった”ふたり”の記憶。現実は、移ろう四季と過去への”独り言”。 酸いも甘いも味わった30歳前後の男性(執筆時の一般的男性像)でしょうか、 愛しい”人”と”夢”に別離と邂逅の感覚を緩やかに綴る、独白体の文学ですね。