「私の母」の感想
私の母
わたしのはは

堺利彦

分量:約14
書き出し:私の母、名は琴《こと》、志津野《しづの》氏、父より二つの年下で、父に取っては後添えであった。父の初めの妻は小石氏で、私の長兄平太郎を残して死んだ。そのあとに私の母が来て、私の次兄|乙槌《おとつち》と私とを生んだ。私の母が私を生んだのが四十二歳の時、兄を生んだのが三十八歳の時だったはずだから、思うに、母は三十六、七歳の時、堺家にとついだものだろう。かように母はずいぶんの晩婚であった。それには理由があ...
更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 家庭内での 素朴な文学論争モドキが行われ  母は父に対して 俳諧味は 取り留めないと言い 父は母に対して 和歌は面白みがないと主張する。 飼っていたきじ猫は ひどく懐いていて  そばに寄ると死んだようになり 叩かれようと 掴まれようと 引きづられようと 自由自在に されるままになっていたという話は面白い。 悲しい事が書いてあるわけではないけど なんとなく鼻がツンとして涙ぐんでしまうと感じた。