淡々と記録してるだけなのに恐ろしくリアルで震える 九州+田舎の片鱗に触れて震えたい方向け
実際にあった事件のことを書いてあるらしいけど、多少の脚色はあると思いました。 結構ゾッとする事件もあったのね。
「郵便局」が特にヤバイ怖すぎ!
読み終えたあとの充実感が、半端ない。 この久し振りの読後の高揚感を何に例えればいいか、深沢七郎作品か、いや、ちょっと違う、しばし考えたのだが、すぐにあれだなと思い当たった、柳田國男の「遠野物語」だ。 「遠野物語」が土俗的怪異を描いたものなら、この「いなか、の、じけん」はズバリ土俗的猟奇犯罪録だが、壮絶な事件がこれだけ並ぶと却って崇高感さえある。 「遠野物語」と比べたら、そりゃあ、いささか上品さには欠けるかもしれないが、なにしろこちらは地を這ってでも生き抜く民衆のふてぶてしい活力の一種気高さで十分に対抗できる。 すべてのエピソードを紹介するわけにはいかないけれども、こんなのはどうだろう。 エピソード③夫婦の虚空蔵 若い巡査が子守娘から 「あの夫婦は産んだ子を皆売って、その金で自分たちは旨いものを食い酒を飲んでいる」と聴き込み、その百姓夫婦のところに調べに行った。 夫婦が言うには、「14歳と9歳の娘は綺麗な着物を着せてくれる人の所へ喜んで行った、男の子は5歳のときに見世物師に売った」とかで、かく言う女房はいまも腹んでいるようだ。 それを見て巡査は問う「まだほかに子供はないか」 すると、夫婦はたちまち真っ青になってひれ伏し 「実は、喰うに困って5人ほど堕胎しました、ご勘弁くだせえまし」 愕然として巡査は言う。 「なんでそんな勿体ないことをする」となじると 「へへへへ、それ程でもございませんですよ、酒さえ飲めば幾らでもできますので」 巡査は、気味が悪くなって家を飛び出した。 署に帰って報告したところ、あの夫婦は既に堕胎罪で二度ほど処罰されている低能で、村の者からは誰も相手にされていない夫婦だと知る。 人買いに間引きと話は壮絶だが、20まであるエピソード、まだまで凄いのが控えている。 この思わぬ経験が自分の硬直化した読書習慣を反省する機会になった。 長い間の読書習慣によって徐々に好みが培われ「傾向」が確立してしまうと、そこから外れた作家や作品に改めて近づくことに困難を感じるようになる。 たぶん、それは仕方のないことなのだが、しかし、そのような悪癖は機会さえあれば打破したいと常々思っていたこともまた事実だ。 その意味でいうと「外れた作家」の一人が夢野久作で、「機会」が青空文庫ということになるだろうか。 もし青空文庫を読み始めてなかったら、この夢野久作の傑出したドキュメント「いなか、の、じけん」との出会いは、たぶん、生涯なかっただろう。 よかった、よかった。
素朴なようで田舎ならではの事情もあるようで驚きながら読んでいるうちに読み終わってしまった。とんでもないところへころげ落ちていくような話が多いのである。エログロ破廉恥とでもいおうか、とはいえ、そのなかに、苦いユーモアも含まれて読み進めていくうちに筆ものってくる。通しで読めてよかったです。
実録 話を盛ってあり 名手の手になるので 抱腹絶倒 七転八倒 腹筋が 痛くなる。 即効妙薬 読まなきゃ損と感じた。
タイトルに期待してたものは読めた気がします。そこそこに楽しくそこそこに生々しくそこそこに怖い。
田舎の集落独特の下卑たユーモラスさは逸品。 しかし、ファンとしてはこれをおすすめ50選に加える意味が解らない。 有名な『瓶詰の地獄(瓶詰地獄)』辺りが夢野久作の真骨頂なのに。
良かった。
夢野久作さんなので、どんだけオドロオドロしい事件かと思ってドキドキしましたが、本当に怖い話から、ちょっと笑える話まで、いなか、というよりも身近で起きそうな話ばかりで、日常生活が生き生きと描かれていてとても面白く読みました。話し言葉や方言が、なんだかどこかで耳覚えのある言葉だったのが、また印象的でした。
腹筋崩壊注意 笑笑 夢野ファンなら思わず、アハアハと笑ってしまうのでは?
思わずクスッとするような話やゾッとするような後味の悪い話も。
薄気味悪いなぁ笑
アリバイの話が好き
作者が集めた実話集とか。 農村ののんびりした話から、かなりきわどいものまで多彩にわたる短編集。楽しみました。
期待値が高過ぎたため面白くなかった残念
気味が悪いけど面白く飽きずに読み進めることができた。
田舎ではこういう事件も人々の娯楽であったのだろう。 間抜けな話題から複雑な事件まで。いろいろ詰まった玩具箱のような作品。
どんな反応をすれば良いのか、世の中にはこんなことがあるのだと思えば良いのか
いろいろな傾向の話が あって 飽きません。 悲惨な結末より ほっとする話が 好きです。