「街頭から見た新東京の裏面」の感想
街頭から見た新東京の裏面
がいとうからみたしんとうきょうのりめん
初出:「九州日報」1924(大正13)年10~12月

夢野久作

分量:約232
書き出し:市政の巻品川駅の蓄音機万世一系のミカドの居ます東京——。黄色人種中最高の民族のプライドを集めた東京——。僅か五十幾年の間に日本をあれだけに改造した東京——。思想でも流行でも何でもかんでも、日本でモテたり、流行《はや》ったりするものの大部分はここからはじまる東京——。日光、京都、奈良そのほか日本の古美術や名所古跡に感心し、ゲイシャガールに涎《よだれ》を流し、能楽《ノーダンシング》に首をひねる前に、是...
更新日: 2018/11/22
ハルチロさんの感想

本著者の別作品「東京人の堕落時代」を読了後、本作品に触れました。大正時代末期の大震災下の帝都“東京”の風俗を知るのに、非常に参考になるのが、本作品であると言えましょう。トップダウンの明るく、健全な風俗調査報告よりも、本作品のようにボトムアップによる、裏路地調査風の作品の方が、社会の根幹、人間の実生活を知ることが出来るのではないかと思われます。