短編が2話、面白かったです
なるほど
二つの独立した話。一つは鷲が子供を拐うという、有りそうで実はまず無いだろうという話。日本最大の大鷲でも無理。鷲はほとんど猟をしない。漁はするようだが、基本的にスカベンジャーだから、敏捷じゃないし吊り上げる力もそれほどない。もう一つは、カワウソがいたずらをする話。今日ではもはや、絶滅してると考えられている日本獺の話だが、カワウソって長い尾をいれても、せいぜい最大50~60センチだし、水辺を離れないから飛び上がっていたずらなんかしないし、できない。 面白いのは岡本綺堂の時代では、まだ、そのような事ごとが信じられていたということか。と、ここまで書いて思いついたが、半七捕物帖では異例の一篇の中に二つの独立したエピソードを容れ、そのエピソードに類似性があるんだから… たぶん岡本綺堂のいたずらだな。鷲、獺ときて、さらに作者は狐狸を気取って読者をばかそうとしたんだろ。うまいな~