「半七捕物帳」の感想
半七捕物帳
はんしちとりものちょう

10 広重と河獺

10 ひろしげとかわうそ

岡本綺堂

分量:約47
書き出し:一むかしの正本《しょうほん》風に書くと、本舞台一面の平ぶたい、正面に朱塗りの仁王門、門のなかに観音境内の遠見《とおみ》、よきところに銀杏の立木、すべて浅草公園仲見世の体《てい》よろしく、六区の観世物の鳴物にて幕あく。——と、上手《かみて》より一人の老人、惣菜《そうざい》の岡田からでも出て来たらしい様子、下手《しもて》よりも一人の青年出で来たり、門のまえにて双方生き逢い、たがいに挨拶すること宜しくあ...
更新日: 2023/12/19
8eb05d040692さんの感想

短編が2話、面白かったです

更新日: 2016/01/09
奥津棄戸明さんの感想

なるほど

更新日: 2015/07/16
80a6b5c171cbさんの感想

二つの独立した話。一つは鷲が子供を拐うという、有りそうで実はまず無いだろうという話。日本最大の大鷲でも無理。鷲はほとんど猟をしない。漁はするようだが、基本的にスカベンジャーだから、敏捷じゃないし吊り上げる力もそれほどない。もう一つは、カワウソがいたずらをする話。今日ではもはや、絶滅してると考えられている日本獺の話だが、カワウソって長い尾をいれても、せいぜい最大50~60センチだし、水辺を離れないから飛び上がっていたずらなんかしないし、できない。 面白いのは岡本綺堂の時代では、まだ、そのような事ごとが信じられていたということか。と、ここまで書いて思いついたが、半七捕物帖では異例の一篇の中に二つの独立したエピソードを容れ、そのエピソードに類似性があるんだから… たぶん岡本綺堂のいたずらだな。鷲、獺ときて、さらに作者は狐狸を気取って読者をばかそうとしたんだろ。うまいな~