青空文庫

「旗本退屈男」の感想

旗本退屈男

はたもとたいくつおとこ

08 第八話 日光に現れた退屈男

08 だいはちわ にっこうにあらわれたたいくつおとこ

下町風土奇人描写時代劇軽妙静謐

書き出し

一——その第八話です。現れたところは日光。それにしても全くこんな捉まえどころのない男というものは沢山ない。まるで煙のような男です。仙台から日光と言えば、江戸への道順は道順であるから、物のはずみでふらふらとここへ寄り道したのに不思議はないが、どこで一体あの連中を置き去りにしてしまったものか、仙台を夜立ちする時はたしかにあの江戸隠密達二人と一緒の筈だったのに、日光めざして今市街道に現れたその姿を見ると

1 / 0